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執筆者の写真梅原江史

④ テンション・ハイテンション




ここ数年、部屋を彩るのは中古のレコードとラジカセ。

ハードオフに通う度に時間はたっぷりかけて棚は細かくチェックするほうです。

予備知識はなくても、検索には頼らずジャケと曲名の予感に任せて買うこともしばしば。

守備範囲は広いほうです。

それでも、実際にピンとこない買い物をしたことも少なからずあって、そういうときはハードオフに再び売ります。

僕みたいに手にするであろう誰かにとっては直感にヒットするものなのかも知れない。

いろんなインプットの手段がそのひとなりにある中で、僕のその割合はハードオフが大きく占めています。

愛機はPanasonicのRIDDIM VOX、ターンテーブルをこれに繋いでレコードを聴いています。

こんな僕の音楽との携わり方が1番変化したのは13年ほど前のことです。

以前のメンバーが同じタイミングで脱退し、MUSHA×KUSHAには池田さんと僕だけが残った時期があります。

MUSHA×KUSHAをたてなおすため、そして上京を機に自らの生活をもまたたてなおすための鈍く長い期間でした。

そんな中で活発化したのがHIROSHI ASAKUSAと名乗る僕のソロ活動です。

こちらのほうではギターを弾いたり、自作のトラックをバックにして歌っています。

以前のMUSHA×KUSHAの楽曲はほぼすべてが池田さんによる作曲でした。

ソロ活動を初めて僕なりの作曲の扉を叩いたといえます。

トラックを手掛けることにより、それまでと音楽の捉え方が少しずつ変化していきました。

1番変わったのは、多分、リズムについてだと思います。

ダイナミックな「ドカン!」という感覚を伝えるためには「カン!」の前に「ド」がないといけません。

打ち込みだと、この「ド」と「カン!」の扱い方に僕のようなビギナーはまず壁を睨むわけです。

これはたとえるならば、人間以上の正確さを持つ機械にそれを狂わせてあげる行為です。

意図せずダラッとなってしまった打ち込みのチープな感じ、そこは自分なりに打破できました。

こういった行程を経て、改めて興味が再燃したのがR&Bでした。

生演奏への憧れです。

現実離れした音色の構成が決しておもしろくなく感じたのではなく、見逃しがちだった生演奏による録音の凄さを再確認したわけです。

ある一定の技術を身につけて音源を制作することは決して困難なことではありません。

ただし、曲が本来求めるであろう心地良さをイメージしてそれを躊躇なく選択すること、これは直感でできちゃうひともいるし、辿り着けないままのひともいる。

いろんなことにトライするのは大切なことです。

そこに伴う副作用っていうのがあって、あれもこれも手をつけてるうちに飽きっぽくなっちゃう。

人間関係でもありがちですよね。

音楽の鮮度を自分から貶めちゃったこと、僕にもあるからわかるんです。

好きだった音楽には必ず突破口があると信じていいと思います。

知ったようなこといっちゃいますが、ひとが音楽を裏切ることはあっても音楽のほうからひとを裏切ることは絶対にありませんから!

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